低損失ケーブル徹底比較!フジクラ・KCCS製同軸ケーブルの最適な選び方

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アマチュア無線や業務用通信において、信号をロスなく伝えることはシステムの生命線です。特に、高い周波数帯(VHF/UHF帯)での長距離伝送や、微弱な信号の受信では、ケーブル自体の性能が交信の成否を分けます。

そこで重要となるのが、信号の減衰を最小限に抑える低損失同軸ケーブルです。

日本国内で信頼される低損失ケーブルの二大巨頭といえば、フジクラ(藤倉コンポジット)と関西通信電線(KCCS)です。このブログでは、両社の代表的な低損失ケーブルの特性を徹底比較し、アマチュア無線家の皆様がご自身の運用環境に最適な一本を選ぶための決定的な基準を解説します。

低損失ケーブルの核心:FB vs SFA/SFB

フジクラとKCCSが低損失を実現している構造は共通していますが、それぞれ独自の技術とブランドで展開されています。

メーカーブランド名特徴的な技術強み
フジクラFBシリーズ発泡ポリエチレン誘電体業界標準の高い低損失性能、コストと性能のバランス、多様なラインナップ。
KCCSSFA/SFBシリーズ発泡ポリエチレン誘電体、高シールド非常に高い耐候性・耐久性、業務用としての安定した品質、高周波特性。

両シリーズとも、誘電体(絶縁体)に空気層を含む発泡ポリエチレンを使用することで、従来のポリエチレン(2V系)よりも誘電率を下げ、伝送損失を大幅に低減しています。

太さ(D数)別!主要ケーブルの特性比較

同軸ケーブルは太さ(D数)が大きくなるほど、物理的に信号経路の断面積が増え、低損失になります。運用周波数と距離に応じて最適な太さを選びましょう。

製品名メーカー外径目安損失特性の傾向主な特長と用途
5D-FBフジクラ約7.7mm標準的な低損失コスパに優れる。HF〜UHF帯の中距離配線(〜20m)の標準。
5D-SFAKCCS約7.5mm5D-FBと同等5D-FBと並ぶ低損失。特に耐候性・耐久性に定評。
8D-FBフジクラ約11.1mm非常に低い損失VHF/UHF帯の長距離配線(20m超)やハイパワー運用に最適。
8D-SFAKCCS約11.1mm8D-FBと同等低損失性能に加え、プロが認める品質の安定性を持つ。
8D-FB LITEフジクラ約10.3mm8D-FBに近い損失柔軟性が高い。8Dクラスの性能と取り回しやすさを両立。
10D-FBフジクラ約13.0mm極めて低い損失超長距離配線、最高性能を追求するプロフェッショナル向け。

比較のポイント:どちらを選ぶか?

コストとバランス重視なら → フジクラ 5D-FB

5D-FBは、フジクラの厳しい品質基準を満たしつつ、最も流通量が多く、コストパフォーマンスに優れています。アマチュア無線家の固定局における標準的な選択肢として、まずはこのケーブルを基準に検討するのが一般的です。

耐久性と品質の安定性重視なら → KCCS 5D-SFA / 8D-SFA

KCCS製品は、業務用通信インフラでの採用実績が多く、特に屋外環境での耐久性と、製品ロットごとの特性の安定性に優れています。一度設置したら長く交換したくない、環境が厳しい場所に設置する場合に強い選択肢となります。

最適な低損失ケーブルを選ぶ決定的な基準

基準 1:運用周波数と伝送距離

低損失ケーブルの効果は、周波数が高く、距離が長くなるほど顕著になります。

  • HF帯(〜50MHz): 損失が少ないため、5Dクラス(5D-FB, 5D-SFA)で十分対応できます。
  • VHF/UHF帯(144MHz/430MHz):
    20m以内であれば5Dクラスで対応可能。
    20mを超える場合は、必ず8Dクラス(8D-FB, 8D-SFA, 8D-FB LITE)以上を選びましょう。430MHz帯で8Dに替えるだけで、アンテナに届くパワーが劇的に改善されます。

基準 2:コネクタ加工の「精度」

どれほど高性能な低損失ケーブルを選んでも、コネクタ加工の精度が低ければ、その性能は発揮されません。

ケーブルとコネクタの接続部分でインピーダンスが不整合を起こすと、信号が反射し(SWR悪化)、そこで大きなパワーロスが発生します。特に発泡ポリエチレンを使用した低損失ケーブルは、熱や圧力に対するデリケートさが増すため、コネクタ加工には高い技術と専用工具が必要です。
  • プロの加工の必要性: SWRを最小限に抑え、ケーブル本来の性能を引き出すには、メーカーの特性を知り尽くした熟練技術者による高精度な加工が不可欠です。

コスト vs 性能 vs 信頼性の選択

選択肢メリットデメリットこんな人におすすめ
フジクラ 5D-FBコスト効率が良い。標準的な性能。8Dに比べると損失は大きい。初めての低損失化、中距離配線。
KCCS 5D-SFA非常に高い耐久性・耐候性。フジクラより流通が少ない場合がある。長期設置、品質の安定性を最重視。
フジクラ 8D-FB LITE性能と取り回しやすさの両立。5Dより高価になる。長距離かつ複雑な配線、430MHz帯メインの運用。

最適なケーブルは「一本からのプロ加工」で手に入れる

コスモケーブル株式会社では、フジクラ・KCCS両社の高品質な低損失同軸ケーブルを、お客様のご要望の長さで一本からカット・販売しております。

当社の強みは、両メーカーの特性を最大限に活かした高精度なコネクタ加工技術です。低損失ケーブルのメリットを損なうことなく、低SWRで安定した通信環境を実現します。
  • 即日加工・発送対応可能
  • プロ仕様の防水処理サービス

最高の「飛び」と信頼性を実現するために、ぜひ私たちコスモケーブルにご相談ください。あなたのシャックに最適なフジクラ、またはKCCSケーブルをご提案し、プロの加工品質でお届けします。

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